第195章 私が説明します

「君を一人で危ない目に遭わせるわけないだろ」

そう言いながら、川西拓海はわざと不良っぽくニヤッと笑ってみせた。そのおかげで、張りつめていた空気が少しだけほどける。

水野佑奈は彼の意図を見抜いていた。心配してくれているのだと分かり、もう止めはしない。黙って同行を許す。

二人がエレベーターを降りるなり、息を合わせたように一番近い場所に停めてある川西拓海の車へ向かった。拓海は走りながら解錠ボタンを押し、

「乗れ」

次の瞬間、アクセルが踏み込まれる。車は矢のように飛び出し、風を切って小林グループ本社ビルの正面へと突っ込んだ。

正門前で車が止まった、その刹那。

中から人の一団が慌ただしく...

ログインして続きを読む